北港貨物線


概要


安治川口駅-大阪北港駅をむすんでいた3.4kmの貨物線である。

 

桜島にあった石炭ふ頭や周辺工場からの貨物を主に取り扱っていたが、
トラック輸送への転移が進み、大阪北港駅の取扱量が減ったため、
昭和57(1982)年11月、桜島線安治川口駅の側線としての扱いに変更された。(書類上での廃止)

 

さらに大阪北港駅が阪神高速湾岸線や此花大橋の工事の支障となったことから、
国鉄と大阪市の協議の結果、大阪市が撤去費用を負担することで合意し、
昭和60年(1985)3月廃線となった。


年表

昭和18年(1943)11月21日 開業

昭和41年(1966)3月     港湾整備に伴い移転

昭和57年(1982)11月15日 安治川口駅の側線扱いとなる(書類上での廃止)
昭和60年(1985)3月15日   側線としての営業廃止



廃線跡探索

(1)安治川口-北港通

北港貨物線は安治川口駅の手前で桜島線から分岐していた。
現在でも北港貨物線のポイントとレールがそのまま残されている

     桜島線からの分岐跡

北港貨物線はカーブを描いて西へ進む
このあたりの廃線跡は駐車場になっていて、大阪鉄道倉庫が管理している。

   廃線跡は駐車場となっている

     大阪鉄道倉庫の看板

廃コンテナが廃線跡のあちこちに

置かれているが、これは倉庫として

使っているらしい

廃コンテナが倉庫として再利用されている

   月極ジャンボロッカーの看板

廃線跡は北港通を斜めに横断する。
昭和44(1969)年まで市電桜島線と平面交差していた。

     北港通との交差地点

       安治川口側

廃線跡はこの先で住友電気工業大阪製作所構内へ取り込まれている。
工場内は当然取材できないので北港通を自転車で走り抜け、北港運河跡の公園へ

線路はカーブしながら正門付近を通過していた

 自転車が止まっているあたりが線路跡


(2)北港運河橋梁

先ほどの門から見て反対側、どうやらここが廃線跡らしい。
 

     住友金属構内の廃線跡

かつてはここに北港運河を渡る橋梁があったが、埋め立てに伴い跡形もなくなっている。

       北港運河橋梁跡


(3)北港運河-大阪北港駅

廃線跡は大阪ガス北港工場に沿って進む
現在は淀川左岸線ユニバーサルシティー出口と

取り付け道路に転用されている。

 淀川左岸線ユニバーサルシティー出口

      大阪ガス北港工場

大阪ガス北港工場の先で東へカーブ、しばらく進み、再び南へ向きを変えると
終点の大阪北港駅である

      大阪北港駅手前のカーブ

4)大阪北港駅跡

現在は阪神高速北港JCTとなっている
この先にある石炭ふ頭へ延びていた引き込み線も見たかったのだが、
ここから先は野犬の巣窟なのでむやみに歩き回るのは危険ということで取材はここまでにした

              大阪北港駅跡地